【握り寿司: 光り物】小肌は出世魚で、関東では4~5cmの幼魚を「シンコ」といい。7~10cmぐらいを「コハダ」。13cm程度を「ナカズミ」。15cm以上になると「コノシロ」と呼ぶ。東京湾で獲れる小肌は有名で、波が穏やかなため身がふっくらして、骨も柔らかい。
小肌(小鰭)は鮪と並ぶ江戸前寿司の看板ネタだ。大きさや脂の乗りなどを見極め、塩をふって、しばらくおいてから酢で締めるなどの仕込みにすし職人の腕が試される。やわらかな身を噛むたびに光物の旨さと香りが口の中に広がる一品だ。だた、焼くと異臭がし、煮ても小骨が気になるとあって、酢で締めて寿司として食べる以外に調理方法がない。
回転寿司で小肌として出回っているのは、台湾などから輸入されたコノシロである。東南アジアで酢締め加工したものを使うことが多く、繊細な味は期待できない。
分類:ニシン目ニシン科コノシロ属
学名:Konosirus punctatus
地方名:関西地方や九州地方では、大型のものは東京同様コノシロと呼び、中小型のものをツナシと呼ぶ。また、新潟県では大型のものをギュンネコ、小型のものをツナシ、高知県では小型のものをドロクイなどと呼ぶ。
魚名の由来:つやつやと輝く魚体を子供の肌にたとえ、「小肌」としたのが由来とされる。